【読書日記】未来を変えるためにほんとうに必要なこと――最善の道を見出す技術

このブログもすっかり空いてしまいました。インフルエンザにやられてしまいまして・・・熱は引いたのであと少しの辛抱です。皆さんもお気を付けください。

さて、久々の書評です。


未来を変えるためにほんとうに必要なこと――最善の道を見出す技術(A.カヘン)」を読む。南アフリカの民族和解などのプロジェクトをリードしてきた著者による社会を変えるために必要なスタンスについて豊富な事例とともに書かれている。原題は「Power & Love」とあるように、キモになるのは「Power=力」と「Love=愛」。とは言え、一般的に言われるような身体的な力やロマンチックな愛ではない。両者にはちょっと補足説明が必要だろう。


力とは「生けるものすべてが、次第に激しく、次第に広く、自己を実現しようとする衝動」を指す。
愛とは「ばらばらになっているものを再び結びつけ、完全なものにしようとする衝動」を指す。


著者は、人が前に進んで歩くときに左足、右足と一歩一歩踏み出していくように、何かを進めるときにも愛と力をバランスよく取り混ぜる必要があると説く。決して愛と力は二者択一の、相反する概念ではない、ということだ。著者の豊富な経験の中でも、必ずしも100%に近い確率で成功しているわけではなく、そういう意味では概念的には正しいが実践するのは難しいということなのだろう。だが、この概念を知っているのと知らないのとでは大きく違うと思う。リーダーになる人、なっている人には必読かも。