3.11もブレなかった東京ディズニーランドの優先順位(日経ビジネスオンライン)

今日で「あの日」から丸3年。時とともに風化していくのは人間の性なので仕方ないことですが、一つのきっかけとして思いをはせることは続けたいと思います。なんてことを思う3.11の朝。


さて、3.11にも絡みますが、震災当日のTDRの姿勢について報告した記事がこちら。
3.11もブレなかった東京ディズニーランドの優先順位


詳しくは記事を読んでいただきたいですが、安全を第一に掲げるTDRは、現場のキャストに全面的に権限移譲、そして「禁断の掟」を破ってまでも来場者の安全を確保した、というお話。素晴らしいことです。本当に心からTDRを尊敬します。


でも同じことがすべての会社や組織でできるか、と言えばそれはとても難しいと思います。こうしたことは「コスト」です。そのコストを賄うだけの利益を生んでいるかどうか、端的に言えば儲かっているかどうか、それがなければ会社の継続性はない。「安全第一」は口で言うほど簡単ではないのです。


僕の知るある会社は、品質に関する高い基準を設定していて、その基準をちょっとでも外すと販売しないという厳格なるポリシーを持っていました。それはそれで素晴らしいことで、お客さんからも多大なる支持を受けていたけれども、在庫管理コストや緊急輸入の空輸コストなど、結局コストがかさんで赤字基調に。結果として人員削減、部門廃止をしないと継続できなくなってしまいました。これは果たして「いいこと」だったのだろうか。


品質をおろそかにすること自体は愚策以外の何物でもないけれども、それを支える体制ができていなければ、結果として大きな損失を社会に与えてしまうことになるのです。それを強く肝に銘じないと経営はできないと、自分への戒めにしています。