テスラ、転換社債で16億ドル調達へ 電池工場新設(ロイター)

新しいお仕事。なかなかエキサイティングなことになりそうです。自分自身の人間性を試されますね。自分自身をストレッチして、果敢に挑戦したいと思います。


さて、今日もファイナンスネタ。テスラモーターズ転換社債で16億ドルの資金調達を行ったそうです。総額50億ドルの電池工場建設の資金として活用するようですね。
テスラ、転換社債で16億ドル調達へ 電池工場新設



有料ですがこの件に関してはウォールストリートジャーナルが詳細な解説をしています。簡単にまとめると、

  • これまでテスラ株は短期的視点の投資家から注目を浴びてきた
  • しかしテスラは工場建設や機器の整備に対して、長期的視点を持つ投資家らの資金調達を望んでいた
  • それを可能にしたのが転換社債。今回は2019年満期、2021年満期と長期的な観点での転換社債の発行になっている
  • 現在テスラ株は順調に成長しており、市場はまだ成長し続けるとのコンセンサスが取れている
  • この流れにおいては転換社債の発行はタイミングとしても内容としてもベスト


なるものです。なるほど。


ご存知の通り、転換社債というのは将来的に決まった価格で株式に転換できる権利を持った社債。条件に合わなければ社債のまま利息をつけて元金を返済してもらえばいいし、条件が合えば株式に転換してキャピタルゲインや配当を期待してもいい。その選択権は債権者側にあるというものです。


一方テスラにとっても通常の社債よりも低い金利で資金を調達することが可能になります(つまりこのオプション自体が価値があるので、その分利息が減っても十分なうまみが債権者側にある、ということですね)。もちろん株式転換して希薄化するリスクはありますが、そこもデリバティブ取引で抑制する方法を考慮済みとか。実に用意周到ですな。う〜ん、しびれます。


タイミングと言い、債権者の思惑とテスラの思惑をうまく合わせるやり方と言い、実に見事なファイナンスですよね。ベンチャー投資の優先株活用などもそうですが、事業が着実に成長する裏には非常に優れたファイナンスがあるな、と改めて認識しました。