■フォトリーディング

どうしても時間がない。でもインプットは増やしたいし、自分のカバーする領域も広げたい・・・ということで、短絡的にいきついた結論が「本を速く読む技術を身につける」ということ。速読術というのは結構いろいろなバリエーションがあるらしいが、著名な方々がお勧めしているフォトリーディングというものが目にとまり、GW直後にその本を買って挑戦してみることにした。


ぱっと読んでみて感じたのは、最初に自分が期待をしていた速読術ではないということ。一言で言うと想定外。いや、「怪しい」とでも言おうか。ページを「観」て、潜在意識にまずは取り込む。そのあと顕在意識に引っ張り出して、目的に沿った内容を引っ張り出す・・・という一見スピリチュアルな読書法。いや、もうこれは読書ですらない。一言一句を流れに沿って「読む」という行為がないのだから。


全く自分の発想にはないやり方なので、当面は苦労するだろうと覚悟し、何とか1か月は騙されたと思って、出来るだけ多くの本を「読む」ことに決めた。買ったはいいけど進んでいないもの、途中まで読んで止まっているもの、難しくて一度最後までは読みとおしたのだが全く内容を覚えていないもの等など、片っぱしから「読んで」みることとした。


・「ハーバード流交渉術(ロジャー・フィッシャー)」
・「NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術(ドミニク・J・ミシーノ)
・「孔子−人間、どこまで大きくなれるか(渋沢栄一)」
・「ポストモダンマーケティング(スティーブン・ブラウン)」
・「美徳の経営(野中郁次郎・紺野登)」
・「自由からの逃走(エーリッヒ・フロム)」
・「起業のファイナンス磯崎哲也)」
・「MBAバリュエーション(森生明)」
・「ローマ人の物語 2(塩野七海)」


1日1冊のペースで、フォトリーディングを始めてから1週間でこれだけ「読んだ」。このペースはいまだかつてない。でも、フォトリーディングならそれほど時間をかけずに一冊を通すことができる。


ジャンルも内容も問わず、ひたすら「ソフトアイ(焦点をぼやかして、見開き全体を「観」る手法)」で見開き2ページを2秒のペースでどんどんめくりながらも潜在意識に刷り込んでいく。一冊につきそれを4〜5回繰り返したら、今度は前よりはペースを落としながらも見開きの中に気になるワードをピックアップするように斜め読み。その後、もう少しペースを落とし、いわゆる「速読」の形でさーっと最初から最後まで目を通す。これで大体1時間から1時間半。


はっきり言って最初のうちは全くと言っていいほど頭には残らなかったが、不思議なもので何度か繰り返していくと、おおよその意味というか、読み始める前に設定した自分の「目的」に沿ったことについての意見は頭の中にある、という状態になってきた。やはり「読む」というのではなく、中身を想像しながら自分のほしい答えをピックアップする・・・といった感じかな?そもそもこれまで最初から1ページ1ページ順番に読みとおしてきたが、フォトリーディングではまずは全体像を予習し、自分の欲しい情報がどのようなものか「目的設定」をすることから始める。著者の言いたいことを全部知る必要はないんだよね、時間がないんだから。自分がほしいことがしっかりと得られればそれでいい。そういう風に考えると、まず全体像を押さえ、ほしい情報をディグインしていくというやり方は極めて合理的だ。


まだ1週間なので、あと4週間ほど続けた時、どんな状態になっているのか、ちょっとわくわくしてきた。その報告についてもこの場でさせてもらおうと思う。


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