■全社会議雑感


当社では3カ月に一度のペースで全社会議を行っている。会社の現状の報告をしたり、今後の方向性や戦略を確認したり、その中で個人と組織のベクトル合わせをする、という重要な意味合いがあると思っているので原則は全員参加。とはいえ、2009年11月に一緒になった東京ミッドタウン店を1日中閉店するということは現実問題出来ないので、東京からの参加者は交代で数名ずつの参加となっている。今回は獣医師の先生2名とお店のスタッフ1名がこの会議のために神戸まで来てくれた。今後も店が増え続けていくとすると、全社会議の在り方も変わってくんだろうな〜、としみじみ感じる。


今回の全社会議の発表内容の一つに、現在進行中のプロジェクトの報告があった。まだ具体的な内容はオープンにできないものの、現在当社では一大プロジェクトが進行中であり、この夏のサービスインに向けて佳境を迎えている。「一大」とわざわざ書くくらいこのプロジェクトは当社にとっては社運をかけるほど重要な意味を持っている。


まず予算が大きい。これまでどんなに大きいプロジェクトであっても(財務的な余裕がないというのが一番の理由ではあるが)1千万円を超えた投資などはほぼしたことがない。それが今回は億単位の予算だ。それから、これまでは自前でなんでもやってきた(これも財務的な余裕がないので、自分たちの労力で何とかしてしまえ!という意思の結果)が、今回は一流のプロフェッショナルと一緒に仕事をする機会がありとあらゆるところである。つまり、これまでの働き方の概念がまったく覆えってしまうプロジェクトだと言える。


すごいチャンスが巡ってきた、何とかものにしてやろう、というわくわく感と、一方で今の自分たちには荷が重すぎるのでは・・・そのレベルで仕事をするにはまだ早いのでは・・・という不安感が同居している、というのがみんなの正直な感覚であろうか。全体会議での様子を見ていて、そんなことを感じた。


自分たちの力を過大評価するのは間違っている。確かにこの大きなチャンスは、自分たちに可能性があったから来た話であって、これまでやってきたことに自信を持つのはいいだろう。だからと言って、今の自分たちがこのプロジェクトを成功させるには乗り越えなければならないハードルはたくさんある。たとえて言うならば、神戸の片田舎でのトーナメント戦を主戦場としていたチームが、いきなりJリーグ、アジアカップクラスのプロチームと試合をするようなものだからね。こうした経験を積み重ねて、思考もマインドセットも「世界レベル」に近づけていかないといけないと思っている。いきなりは無理にしても、徐々に神戸の片田舎の零細企業マインドから脱していかなければいけないね。


確かに許容できないリスクはとるべきではない。だからそこはCFOの役割としてリスクを管理できる仕掛けは作りたいと思う。だから、みんなは積極的にリスクをとって、このチャンスをものにしてほしいと思う。世界一のソリューションプロバイダーになることを信じて。