■Looops TVをみた

昨日In the looopの斉藤さん主催によるUST番組「Looops.TV」を拝聴した。昨日が記念すべき第1回目の番組ということで、斉藤さんの中学高校の同級生という電通佐藤尚之さんがゲスト出演した。佐藤さんと言えば「さとなお.com」で有名なブロガー(という表現が適切かどうかは分からないが・・・)で、広告マンとしても素晴らしい業績を残している方。さとなおさんが最近提示したソーシャルメディア時代の消費者購買心理変化モデル「SIPS」という考え方に基づいて、Looops.TVでの議論は進行していった。


SIPSの概念はさとなおさんのページに詳細が書かれているのでここでは説明は省くが、要はfacebooktwitterといったソーシャルメディアツールが普及してくると消費者の購買に至るまでの心理も変化してくるというお話。なんとなく漠然と感じていた感覚が、昨日のLooops.TVできっちりと整理された感覚を受ける。


自分にとって整理されたソーシャルメディア時代のキーワードは次の3つだ。


(1)「共感=Sympathy」
古典的な消費者購買心理推移モデルのAIDMAというものは、今後も普遍的なモデルとして生き続けるだろう。しかしながら「声の大きい人が発することで無理やりAttentionをとる、Interestをとりに行く」というのは「ウザい」状態になってしまい逆効果になっていく可能性が強くなってくる。ソーシャルメディア時代は、声が大きくなくとも、中身があって共感してもらえるメッセージであればRTされるし「いいね!」を押してもらえる。逆に言うと、共感なくしてRTも「いいね!」もなく、(次のキーワードである)「拡散」にはつながらない。


(2)「拡散」
これまでもblogのような個人メディア発信の機会はあったが、あくまでも発信者と受信者との間を中心とするネットワークであった。それがソーシャルメディアにおいてはRTや「いいね!」で気軽にそのネットワークの域を超えて拡散していく。いわばつながりが複層化していっている。twitterfacebookのネットワークは、個人が持つ様々な属性ごとにネットワークがつながっているが、一旦「共感」すればそれをその多様化したネットワークに気軽に発信する事ができる。これが壁を越えて拡散していくのだ。このイメージ感はとても大切。
当社は「愛犬家のためのホリスティックライフ」を支援する事業を行っているため、メインのお客様は愛犬家であるが、そのメッセージに共感性がある限り、愛犬家ではなくても拡散する。そしてその先にある愛犬家につながることもある。この拡散力はこれまでにないほど強烈だ。


(3)「Open Disclosure」
これまで企業は完璧でなくてはならない、顧客に対して完全な存在でなければならない、という前提があったような気がするが、これからは弱さや性格といった「人間らしさ」があってもいいのでは?というさとなおさんの指摘が腑に落ちた。
失敗も欠点もそれを隠さずにさらす、その上でそれを改善しようと努力する、前向きに頑張る、そうした人を応援したくなるように、会社もそれだけOpen Discloseすることで「共感」を受けられるような会社になるのではないか。理念や向かうべき方向性がしっかりしており、口だけではなく本気でそれに取り組んでいる人たちの集合体であることが理解されれば、会社は弱くても多くの人たちに支えてもらえる。そんな会社(売り手)と顧客(買い手)との関係のあり方もソーシャルメディアの活性化で「仲間」という関係に変わっていくのかもしれない。


つれづれと書きましたが、非常にインスパイアされた1時間でした。
ご興味のある方はこちらをご参照ください。



http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2011/01/2119ustlooopstv.html