■フレッシュドライフードNow!製造工場見学記(3) 〜いよいよ製造工程の現場へと入ります

オリエンテーションが終わったのち、いよいよ製造工程の見学に行く。指輪や腕時計を外し、ヘルメットと耳栓を渡され、会議室のある棟の隣の製造現場へと足を踏み入れた。残念ながら製造工程については撮影不可とのこと。ここに掲載されているのは工場のホームページ上からコピーした写真となる。


(1)原材料の受取工程

第一工程では原材料の受取から始まるが、原材料を積んだトラックは簡単にはこの施設に入れない。トラックは指定の場所に止められ、積んできた原材料の一部を検査し、結果が出るまでその場で待たされる。この間約1時間。この1時間で、酸化度合いやペーハー、残留農薬などの成分分析が行われ、原材料のスペックに合致しているかどうかがその場で確認される。それが確認されて、ようやく第一工程内の原材料積み込み場にトラックが入ることが許される。ちなみに過酸化物価(POV)を測定する機器はNature’s Varietyでも用いられていたSaftestという機器を使用しており、油を抽出する工程なくしてPOVを測定することができるため、短時間で測定可能ということで重宝されているそうだ。日本でもこの機器を手に入れることができればいいのだが、代理店がないということで入手は今のところ不可能という状態。


(2)原材料の保管
その後、原材料は指定の保管庫にて保管される。オイルや穀物といった主要原材料は、専用のサイロ(円柱型の大きな保管庫)にて保管される。原材料の内容にもよるが、5〜15日程度の在庫保有量となっており、商品劣化を意識した必要な分だけの保管になっている。


(3)原材料のミックス
そして製造スケジュールに応じて、必要な原材料が取り出され必要なタイミングでミックスされる。ここでも分量をコントロールできる仕組みが整っており、あるべき原材料の投入量と、実際に投入された量が常にモニターに映し出されており、あるべき姿と実績とに差異があった場合はコンピューターによって自動的に調整される。こうしてスペック通りの原材料ミックスが出来上がってくる。


(4)第二工程に向けてミックスの搬送
いったん出来上がった原材料ミックスは、工場保有の大型トラックによって第二工程に運ばれる。


(5)圧縮だし・焼き上げ・乾燥の工程原材料ミックスはバッチ単位で管理されながら、それぞれのレシピにあった温度と時間で焼き上げられる。この工場では200ほどの商品を製造しているので、チェンジオーバー(各商品の製造が切り替わること)は不可欠。そのたびに1.5時間ほどかけて全行程の清掃を行い、他商品が混ざるのを防ぐそうだが、Now!でもたまに報告される通り、100%混入を防ぐのは難しいそうだ。また焼き上げ工程においても、徹底的な製造品質管理が行われており、シフト単位で4回(つまり2時間に1度)、商品の水分含有量、色、形などの数項目についてチェックが行われ、スペック通りの商品が出来上がっているかどうかが確認されている。


(6)袋詰め工程
こうして出来上がったドライフードは、全自動パッケージマシンによって、パッケージ内に充てんされる。大量に販売されているマス商品に関しては、シート状のビニールからパッケージを自動的に作るところから行われるが、Now!に関してはあらかじめ出来上がった袋を取り出し、空気を入れて袋の口を開け、その中に充てんし、自動計測マシンによって重量が適正でないものをはじき、あらかじめコンピューターに登録してある商品の積載数・向きに基づいてパレットに積み上げられ、その周りをラップでぐるぐる巻きにされる。この間全部自動で行われている。
過去Now!の454グラムの商品で見受けられた重量不足が起こった問題というのは、454グラムの商品は小さすぎてこの自動充てんマシンのラインに乗らず、人の手で充てんされていたため、どうしても人為的ミスが起こったとのこと。現在は自動計測マシンが導入されたため、重量不足はほとんど生じていない。


次回は、工場見学を終えてのダンとブライアンに対するヒアリング内容について語ります。