■5 Must-Haves of an Entrepreneurial Career

スタンフォード大の起業家講演を聞くことを毎日の日課にして約2週間。


この起業家講演を聞いていると、大体のところ起業家的素質なりベンチャー企業的文化というものが一体どのようなものなのか、自分なりにつかめてくる。「Risk Taking」というのは、誰もが口にするフレーズであるが、アメリカを代表する大学という教育機関で、積極的にリスクテイクを奨励する、それを信じる若者が果敢に新しいものを生み出そうと果敢に挑戦することを考えると、アメリカの国力というのは改めてすごいと思わざるを得ない。


さて、今回の講義も「起業家的キャリアを積むために必要なエッセンス」というタイトルの話なので、ご多分にもれずいい会社に入るのにはどうすればいいのかという話とは全くかけ離れた話。今回の講義は、eHarmonyという男女のマッチングサイト(日本でいうところのブライダルネットといったところか)のCEOを務めているGregory Waldorf氏(http://ecorner.stanford.edu/authorMaterialInfo.html?author=224)。語り口はソフトだが、多くの経験を積んできた起業家であることが、講演を通じて感じられる。


さて、今回のテーマでもある、彼が考える「起業家的キャリアを積むための必須エッセンス」とは、以下の5つである。


(1)Working with Great People
 〜素晴らしい人と働け
(2)Taking Smart Risks While Not Following the Safe Path
 〜安全な道よりも果敢にリスクを取れ
(3)Facing the Unexpected with Adaptability
 〜適応力を持って予期せぬ事態に対処せよ
(4)Passion: The Driving Force Behind an Entrepreneurial Career
 〜パッション:起業家キャリアを突き動かす力
(5)Do Not Wait: Put your Plan into Action Now
 〜計画をいますぐ実行に落とし込め


それぞれ勇気をもらう話なので、是非聞いていただきたいと思うが、特に気に入ったのが(3)Facing the Unexpected with Adaptability(適応力をもって予期せぬ事態に取り組め)というところ。起業家的キャリアをすすむ人にとって、予期せぬことに直面することなど日常茶飯事。逆にきちんと予期した通りに進むことのほうがまれである。だから常にフレキシブルな状態を保ち、状況に応じて適応するという強い意志を持っていることが重要だと説く。悩ましいのは、理念や創業時の想いといったものと、その打ち手の成功度合いはどのくらいなのか、というバランスを保つところ、と言うが、大いに共感するところでもある。これはその場で一人一人が考え抜いて結論を出していくしかない。それを考えることこそがAdaptabilityの本質なのだと思う。


さて、Waldorf氏の講義だけでなく、これまで講義で聞いてきた起業家の話を振り返ってみると、いわゆるベンチャー企業起業家精神の文化というのは、「変化を恐れる、という人間本来の性質」に真っ向から立ち向かい、リスクを恐れずに新しいことにチャレンジすることであり、常に状況に応じて適応力をもって対処する、ということなんだろうな、と感じている。ベンチャー企業であり続けたいのであれば、リスクに果敢に立ち向かう、状況に適応するという姿勢だけは貫かなければならないと強く感じた。


お勧め度:★★★★