■Motivating People in Lean Times

「モチベーションをどう高めるか」というのはこれだけでビジネス書が年間数百冊生まれるくらい普遍的なテーマだと思うが、それに対して完璧に応えられるような理論やらティップスには出会ったことがない。業績が好調な時は、多少乱暴にふるまっても、人事制度に不備があろうとも、それほどモチベーションに気を使うこともないのだが、いったん業績が停滞すると社内のモチベーションはすぐに低くなり、業績悪化のダウンスパイラルに入ることも多い。正直モチベーションを手っ取り早く上げるには、業績を上げるのが一番だと思っていた。


そんな中、iTunes Uのスタンフォード大の講義の中で「Motivating People in Lean Times」という、上記疑問にダイレクトに応えてくれそうなクレジットを見つけたので、1時間ほどの講義を聞いてみた。(http://itunes.stanford.edu/)


講師はFrank Flynn氏(https://gsbapps.stanford.edu/facultyprofiles/biomain.asp?id=78010309)。組織行動を専門とするスタンフォード大学院の助教授とのこと。


1時間ほど聞いてみたが、内容としては「自分が思っている以上に、人は外的な動機付け要因(=お金とかインセンティブなど)よりも、内的な動機付け要因(誇りや自主性、周りのメンバーとの関係性)といったもののほうを重視する」という、極めて平凡な内容にすぎなかった。確かに、それらを検証するデータなどで面白いものはあったけれども。


ミスミの社長である三枝匡さんの「明確な戦略とシンプルなビジネスプロセスを、『気骨の人事』を断行することで、社員のマインド・行動に落とし込み、エネルギーレベルの高い『燃える集団』になる」というほうが、なるほど感はある感じがした。


お勧め度: ★★(英語は分かりやすいので英語の教材としてはいいかも)


ちなみに三枝匡さんの本はお勧め度★★★★★です。