■Joi Ito on the Economist

今日はちょっと前の英The Economistpodcastのショートムービーのご紹介(http://bit.ly/9oh8cW)。著名なベンチャーキャピタリストでクリエイティブコモンズのCEOである伊藤穣一氏(http://bit.ly/a5AXoM)のインタビューである。この手の著名人を呼んでのインタビューをthe Economistでは結構行われているが、「お茶に誘う」という形がいかにも英国っぽくて面白い。余談だが、伊藤氏のあまりにも流暢な英語にびっくりして経歴を見てみたら、ほぼアメリカ育ちなので、英語はネイティブ、逆に日本語のほうが苦手とのこと。日本人特有のアクセントで自分にとっては聴きとりやすいかな、なんて思ってましたが、普通のアメリカ人とおなじアクセントでした・・・


さて、気になる内容に関して。10分足らずのインタビュービデオの中で幾つかのテーマについて話をしているのだが、インターネットがなぜこのように爆発的に広がったか、ということについてちょっと触れており、それが非常に興味深かった。


インターネットの世界の特性のひとつが、コミュニケーションコストを格段に小さくし、失敗コストが低くなったため、多くの人がその環境に入ってきて、Try & Errorを繰り返してきたこと。一人ひとりの小さな存在の参加者が作り上げた「モノ」(たとえばブラウザやサービスや技術など)が多くの人を介して紹介され、広がってゆき、ある人はそこに手を加えて改善していく・・・という「オープン性」に着目している。もちろんオープンになることで、SexやDrugといった、低俗なものも含まれるようになったのだが、それをどうプロテクトするかというところで技術が発展し、またそういうテーマをきっかけに多くの人がネット環境に参入することになるので、結果として「必要悪」だったともいえる。


イノベーションの一つの在り方として、誰もが気軽に参加(それも自分で一緒に作り上げる、という積極的な参加)できる「オープンな」環境を作ること、「必要悪」も次なる発展として(ある程度は)許容する、ということは、翻って企業単体のビジネスモデルを作る際のヒントにもなりそうだ。