■「未来を拓く君たちへ(田坂広志)」

菅内閣のブレーンであり、ソフィアバンクの代表。社会起業家フォーラムを主催しながら、詩人であり哲学家である田坂氏の著作を読んだ。昔から田坂さんのお名前はよく聞いていたが、著作や講演というものに触れるきっかけがずっとなかったのだが、田坂さんが主宰しているソフィアバンクのpodcast番組で、田坂さんの講演を聞くことができたのが興味を持ったきっかけ。


講演でも何度も触れている「悪いことがあってもそれはすべて良い事」というテーマを中心に書かれたのがこの著作だ。成功を目指した人生ではなく、成長を目指した人生であれば、そこで起こることはすべて成長の糧になる、という言葉には強く心を動かされる。人間は誰しも死ぬ。その死に直面した時に、はたしていい人生だったと言えるかどうか。それは何を成し遂げたか、とか何を得たのか、というのではなく、成長し続けることができた人生だったか、という問いに答えることでもある。死は成長の最後の過程なのだから。


今困難なことに直面している人も、人生が順風満帆だと感じている人も、新天地に向けてワクワクしている人も、等しく読んでほしい一冊。人生の意味というものをじっくり考えるのにふさわしい本だと思います。


未来を拓く君たちへ―なぜ、我々は「志」を抱いて生きるのか

未来を拓く君たちへ―なぜ、我々は「志」を抱いて生きるのか