■Entrepreneurial Thought Leaders

いやはや便利な時代である。


海外に留学することなく、質の高いMBAのクラスを受講できるのだ。


今回私が発見したのは、スタンフォード大学の「Entrepreneurial Thought Leaders」(http://ecorner.stanford.edu/podcasts.html)という講義で、iTunespodcastingで無料で聴くことができる。もちろん、講義を聴くだけであり、質問をしたり仲間と議論をしたりすることはできないので、本場MBAで学ぶ意義の一部しか享受できないのは事実であるが、それでも幅広くインプットの機会が得られることには変わりない。


今回私が聞いてみたのは、アメリカの有力VC、KPCBKleiner Perkins Caufield & Byers)のパートナーである、Randy Komisar氏(http://www.kpcb.com/team/komisar)の講演。この収録のタイミングと前後して「Getting to Plan B」という書籍を発行したらしく、この講義においても「Plan B(当初の計画ではない、バックアップもしくは代替計画)」にシフトすることの意義について述べている。


氏曰く、どんな成功したベンチャー企業であっても当初の計画(=Plan A)で成功するケースは非常にまれであり、Plan Bにシフトすることで成功への道筋を描いていったケースが圧倒的に多い、とのこと。だからと言ってPlan Aを描くこと自体を否定しているのではなく、Plan Aを作る中で、市場を分析し、仮定や仮説を検証し、リスクをしっかりと見極めるプロセスを踏むことに大いなる意義があると説く。またPlan Aを投資家やステークホルダーに説明する中で、議論が生まれ、共通認識が生まれていくことも大きな意義であり、Plan Aを作ることが結果としてPlan Bを考えるスタート地点になる、という。


言われてみれば当たり前の話だが、しっかりと事業計画を描き、それに固執することなく柔軟にPlan Bの可能性も模索する。そしてここぞ!というタイミングでPlan Bに大胆にかじ取りすること。こうしたことを改めて確認した1時間の講義であった。


それ以外にも、マイクロソフトのSteve Ballmer氏やIDEO社のTom Kelley氏など、興味深い講演者がたくさんリストに載っているので、ご興味ある人にはぜひお勧めする。